過去のカミングアウト本との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:36 UTC 版)
「流血の魔術 最強の演技」の記事における「過去のカミングアウト本との比較」の解説
本書出版以前にも、プロレスが真剣勝負ではないことを示唆する書籍は出版されている。1985年、佐山聡(初代タイガーマスク)が『ケーフェイ』を出版。同書において佐山は「"暗黙の了解"というやつがないと、なかば永久に極まらないワザ」、「お互いの協力がなければかからない技」としてブレーンバスターなど「代表的なプロレス技のほとんど」を挙げ、物議をかもした。しかしながら井上譲二によると、個別の試合の内幕や「試合の作り方」を暴露してはいなかったこと、またインターネットが普及していなかった時代背景もあり、同書がプロレス人気に与えた影響は本書ほど大きくはなく、初版8000部のうち8割が返本されるという結果に終わった。同じく1985年、『噂の真相』がアントニオ猪木対ブルーザー・ブロディの試合においてブロディが「右手に持った何か」を使って足から流血させた疑惑に関する検証記事を掲載したが、これもプロレス人気に大きな影響を及ぼすことはなかった。井上はこれらの書籍と本書との違いについて、「突きつめて言えばリアリティーに尽きる。当事者によって詳細に書かれたものであること。これが高橋本の本質である」と評している。 吉田豪によると、内部告発的な書籍は昭和40年代に木村政彦がすでに出版しており、『鬼の柔道』(講談社)の中で流血の演出法などについて記述している。吉田と対談したターザン山本は、木村の著書と本書との違いについて、「ずっと隠し続けていた」ことにより「溜め」が働いた点、「ファンの方も知りたがっていた」点、著者が新日本プロレスに所属していた点を挙げている。
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