遅延ライティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/13 13:53 UTC 版)
「遅延シェーディング」の記事における「遅延ライティング」の解説
遅延ライティング (英: Light Pre-Pass、ライトプリパスとも) は遅延シェーディングを改変したものである。この技術は遅延シェーディングの2つのパスではなく3つのパスを用いる。シーンのジオメトリに関する第1パスではピクセルごとのライティングに必要な属性すなわち放射照度(英: irradiance、イラディアンス)のみをGバッファに書き込む。"遅延"パスはGバッファを参照しながらスクリーンスペース上でその時拡散反射および鏡面反射の光源データのみを出力する。最終パスでは遅延パスで生成した光源データを参照しながらシーンを再度レンダリングし、最終的なピクセルごとのシェーディング結果を出力する。遅延ライティングの明確なメリットはGバッファのサイズの劇的な削減にある。一方、明らかな追加コストは、シーンのジオメトリを1度ではなく2度レンダリングすることが必要ということである。遅延シェーディングにおける遅延パスは1つの組み合わさった放射輝度(英: radiance、ラディアンス)の値を出力するだけでよいが、追加のコストとして遅延ライティングにおける遅延パスは拡散反射・鏡面反射の放射照度を別々に出力しなければならない。 Gバッファのサイズの削減により、この技術は部分的にではあるが遅延シェーディングの深刻な欠点である、複数マテリアルの問題を克服することができる。また、解決できるもう1つの問題はMSAAである。遅延ライティングはDirectX 9世代のハードウェアでもMSAAと一緒に使うことができる。
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