遁甲演義の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 14:41 UTC 版)
巻一の章立てからわかるように、年月日時の四盤を備えており、時盤のみの煙波釣叟賦や太白陰経巻九の奇門遁甲とは異なっている。ただし日本で言われているような立向盤、坐山盤といったものはなく、年月日時それぞれ一盤のみであり、この点では煙波釣叟賦や太白陰経の奇門遁甲と同じである。 奇門遁甲の局数の体系は以下のようになっている。 年盤-陰局のみ、60年1局で、上元は陰一局、中元は陰四局、下元は陰七局 月盤-陰局のみ、60ヶ月1局で年盤と同じく、上元は陰一局、中元は陰四局、下元は陰七局 日盤-陰陽の両局があり、3日1局で金函玉鏡と同様である。 時盤-陰陽の両局があり、60時(5日)1局。超神接気の置閏法を採用しており、夏至や冬至に最も近い甲子、甲午、己卯、己酉日の子刻で陰局、陽局を切り替えると共に奇門遁甲の節気も切り替わる。奇門遁甲の節気は、冬至、夏至の後は機械的に15日毎に変化し、その順序は通常の二十四節気と同じになる。各節気の15日間は、5日毎に上中下元に分けられる。局数は以下のように割り振られる。冬至-上元陽一局、中元陽七局、下元陽四局 小寒-上元陽二局、中元陽八局、下元陽五局 大寒-上元陽三局、中元陽九局、下元陽六局 立春-上元陽八局、中元陽五局、下元陽二局 雨水-上元陽九局、中元陽六局、下元陽三局 啓蟄-上元陽一局、中元陽七局、下元陽四局 春分-上元陽三局、中元陽九局、下元陽六局 清明-上元陽四局、中元陽一局、下元陽七局 穀雨-上元陽五局、中元陽二局、下元陽八局 立夏-上元陽四局、中元陽一局、下元陽七局 小満-上元陽五局、中元陽二局、下元陽八局 芒種-上元陽六局、中元陽三局、下元陽九局 夏至-上元陰九局、中元陰三局、下元陰六局 小暑-上元陰八局、中元陰二局、下元陰五局 大暑-上元陰七局、中元陰一局、下元陰四局 立秋-上元陰二局、中元陰五局、下元陰八局 処暑-上元陰一局、中元陰四局、下元陰七局 白露-上元陰九局、中元陰三局、下元陰六局 秋分-上元陰七局、中元陰一局、下元陰四局 寒露-上元陰六局、中元陰九局、下元陰三局 霜降-上元陽五局、中元陰八局、下元陰二局 立冬-上元陰六局、中元陰九局、下元陰三局 小雪-上元陽五局、中元陰八局、下元陰二局 大雪-上元陽四局、中元陰七局、下元陰一局 時盤の局数体系は煙波釣叟賦のそれと同じであり、置閏法の違いがあるにしても太白陰経のそれとも一致している。従って少なくとも遁甲演義の時盤は、中国の奇門遁甲理解において標準的な時盤と考えられる。 吉凶の判断方法は、いわゆる奇門四十格と同じような判断を行い、格に当てはまらない場合は八門の吉凶を中心に見るとしている。そして通常の奇門遁甲で凶となる場合には、天三門、地四戸、私地門、天馬太冲を見て、それでも凶の場合に、玉女反閉訣や真人閉六戊法の呪法を使用するとしている。
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