送信所の変更に伴う問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 04:18 UTC 版)
「日本の地上デジタルテレビ放送」の記事における「送信所の変更に伴う問題」の解説
地デジへの移行に伴い、送信所がアナログ送信所とは別の場所に変更される地区がある。これによって従来のアナログ放送とデジタル放送の送信所が大きく離れている場合は、デジタル放送用UHFアンテナを付け足したり設置方向を変更する必要がある。 関東地方において、新たな地上デジタル放送の送信所として東京スカイツリーが建設されたが、開業は2012年(平成24年)であり、2011年(平成23年)7月24日のアナログ放送終了には間に合わなかった。そのため、現在の送信所である東京タワーからの電波を受信している場合に、アンテナの再調整などの影響があると無線従事者は考えていた。 総務省は、情報通信審議会情報通信政策部会「第42回地上デジタル放送推進に関する検討委員会」(2009年〈平成21年〉1月16日開催)において「関東広域圏の地上デジタル放送の親局が東京タワーから東京スカイツリーに移行することによる視聴者への影響はほとんど無いであろう」との見解を示していたが、実際には総務省の見解が外れ、アンテナ調整などが必要となったため『東京スカイツリー受信確認テスト』を放送する事となった。 関東地方では新たに地上デジタル放送の電波を発射する東京スカイツリーの竣工が2012年2月29日(正式開業は2012年5月22日)となっており、地上デジタル放送への完全移行日である2011年7月24日には間に合わなかったため、完全移行後も2013年5月31日9時まで東京タワーからの送信が続けられた。また放送大学は東京タワー送信のまま、2018年9月末限りで地デジテレビとFMラジオの放送を終了し、2011年10月から開始されたBSデジタルでの放送にラジオを含めて含め一本化する予定である(Radikoによるインターネットラジオ配信は引き続き行う)。 既存の施設をそのまま利用する場合でもアナログ放送では局単独の施設であってもデジタル放送では複数の局で共同使用するケースもある。 また、多数の送信所からUHF放送を受信している家庭では地上デジタル放送がうまく受信できない場合がある。例として大阪府などの関西地区では在阪局(生駒山から)のVHF波に加えてテレビ大阪やサンテレビなどのUHF局を受信している家庭が多いが通常の混合器で混合するとゴースト障害を起こす場合があるため、約6万世帯で特定地域向け混合器が使われている。しかし、地上デジタル放送が開始される前に製造・発売された物は関西地区の地上デジタル放送で使われるチャンネルをカット(減衰)してしまい上手く受信することができなくなる。このような設備ではアンテナ設備の取替えが必要となる。
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