輸入車の取り扱いについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 00:37 UTC 版)
「オクタン価」の記事における「輸入車の取り扱いについて」の解説
上記の例にも見られるとおり、今日のJIS 1/2号ガソリンのオクタン価と欧米のガソリンのオクタン価には若干ではあるが差異がみられる。特に欧州では殆どの地域でレギュラーガソリンが事実上RON95のみである事情もあり、これらの地域からの輸入車は現地ではレギュラー仕様であっても、日本の正規代理店ではハイオク仕様として販売される事が多い。 逆に、アメリカや東南アジア、オセアニアなど、レギュラーがRON91前後とされている国からの輸入・逆輸入車両については、正規代理店やメーカー日本法人などのサポート窓口に、日本での適切な使用燃料を直接問い合わせることが推奨される。ただし、これらの国からの車両でかつ国内でもレギュラー仕様として販売される場合において運転状況によってノッキング等の異常燃焼がおこる場合、ハイオクを給油することで解消できる場合がある。 JISの規格値は元々は欧米の品質規格のような強制力を持たない任意規格であり、これにより有鉛ガソリンの無鉛化などが石油元売りの自主努力により早期に達成されるなどの利点も存在したが、同時に小売り店頭で灯油を混入した粗悪ガソリンが販売されるなどの弊害も発生していた。しかし、1996年の石油製品輸入自由化に伴い強制力を持つものとなり、それと同時にJISマーク表示制度の対象に含まれるようにもなった。こうした経緯が存在したことから、国内の石油元売り各社はハイオクに関しては現在でも100オクタンを謳う製品を販売するなどの状況が見られるが、レギュラーについては「90-91前後の品質で出荷」などの明確でない表現に留めている場合がある。無印スタンド等における業転玉などの販売サイドにおける構造的な問題も散見される他、場合によっては小売店頭でレギュラーとハイオクの配管を取り違えていた例や、悪質な場合にはレギュラーをハイオクと偽装して販売する事例が消費者庁を通じて告発されるなど、市場に出荷される燃料品質に関連して報道沙汰に発展するケースも稀に見られる。
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