転んだ後の処置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 17:50 UTC 版)
幕府は棄教を選択した者には、誓詞(起請文、俗に「転び証文」「転び書物」)に血判させた。これは主に日本誓詞と南蛮誓詞の2種類があり、両方か南蛮誓詞のみに血判を押させた。前者は(日本の)神仏に対する誓いであり、後者はキリスト教の神(デウス)や天使、聖人に対して信仰を棄てる誓いであった。この南蛮誓詞の文面は「デウスやマリアに誓って確かに転びました(棄教しました)」という奇妙な内容となっているが、先述のように省略されることもある日本誓詞に対して、必ず起請され信仰破棄の重要な証扱いとなった。山本七平は「日本の契約は人間同士の話し合いが重要で神は話し合いの証人として呼び出されてくる存在である。普通の日本人なら『天地神明に誓って・・・・・・』となるが、キリシタンは転ぶ時点では日本の神々を信じていないのだから、『天地神明に誓って・・・・・・』と誓わせても信用できない。だからキリシタンの信じている神(デウス)に誓わせたのだ」と解説している。 また、棄教した者は切支丹類族帳に記載され、6代まで(女性の場合は3代)監視された(切支丹類族調べ)。年2回の届け出が義務付けられ、記載された者が死亡した場合には宗門改役(キリシタン奉行)に申告し、特に転びキリシタン当人であった場合には、火葬を指示された(キリスト教において火葬は禁忌)。
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