軌道・分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 15:41 UTC 版)
メインベルトの軌道要素を図にすると、メインベルトに対して異なった軌道の集中が見られる。この軌道集中が小惑星族である。 厳密に言うと、族は時間をかけて規則的に変化する接触軌道要素よりも、固有軌道要素を分析することによって特定されている。固有軌道要素は関連した一定の動きで、何千万年、何億年もの間ほとんど一定のまま残っている。 日本の天文学者、平山清次は小惑星の軌道に関する見積もりを研究、有名ないくつもの小惑星族を発見し、この分野を開拓した。この名誉によって、彼が見つけた5つの小惑星族は平山族とも呼ばれる。その他、小惑星族の研究者にはイタリアのヴィンチェンツォ・ザッパラ、日本の古在由秀などがいる。 20世紀末には、機械技術の進歩によってコンピューターを利用した研究で多くの小惑星族が上がるようになった。一番特徴的な小惑星族探知方法は、軌道要素の範囲で距離が最も近くにある小さい小惑星を探し出し組分けるHierarchical Clustering Methodである。また、軌道要素域に小惑星密度の地図を作り、密度のピークから小惑星族を探すWavelet Analysis Methodもある。 小惑星族の境界は、メインベルトと交わるのであいまいになっている。そのため構成員(小惑星族を構成する小惑星)数はほとんど知られているだけであり、境界付近の小惑星の小惑星族としての資格はよくわかっていない。研究者によって特定の小惑星族に含まれるかどうか、またはどの小惑星族に含まれるか意見が分かれている小惑星も少なくない。 さらに、多様な小惑星があるであろう境界付近からは、小惑星族以外の侵入者もあると考えられる。小惑星族は衝突で構成されたと考えられるため、原則として族内の構成員の多くと合わないスペクトル特性を持つものは侵入者と考えられる。代表例がかつて最大の小惑星とされていた準惑星のケレスであり、過去はケレス族という小惑星族と考えられていたが、ケレスは侵入者とみなされたため、現在ではゲフィオン族と名を改めている。 また、逆に小惑星族外端の小惑星はスペクトル分類によって構成員か否かを調べており、ベスタ族(変わったスペクトルの小惑星が多い)はそのような方法で調査をされた。
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