車載用貴金属フリー液体燃料電池の詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 05:18 UTC 版)
「貴金属フリー液体燃料電池車」の記事における「車載用貴金属フリー液体燃料電池の詳細」の解説
貴金属フリー液体燃料電池(ききんぞくフリーえきたいねんりょうでんち、英: PMfLFC : Precious Metal-free Liquid-feed Fuel Cell)は、発電反応が生じる膜電極接合体(まくでんきょくせつごうたい、英: MEA : Membrane Electrode Assembly)、燃料・空気を均一に供給するガス拡散層(ガスかくさんそう、英: GDL : Gas Diffusion Layer)、燃料・空気の分離・流路となるセパレータで構成される。ガス拡散層は、カーボン繊維を用いたペーパーやフェルト材が多く用いられる。また、セパレータは、金属またはカーボンで作製される。電極触媒はアノード(燃料極)がNi系、カソード(空気極)がFe系であり、イオン交換膜はグラフト重合アニオン交換膜である。炭素を含まない常温・常圧の水加ヒドラジン (N2H4・H2O) を燃料とし、酸化剤に空気を使用すると、発電によって発生するのは窒素ガス (N2) と水 (H2O) のみとなる。反応は、カソードには空気を50℃で、アノードには水加ヒドラジンを50℃で供給し、セル温度を80℃に設定して行われる。また、この燃料電池は、液体燃料から電気化学反応により直接電子を取り出す直接ヒドラジン型燃料電池(ちょくせつヒドラジンがたねんりょうでんち、英: DHFC : Direct Hydrazine Fuel Cell)とも言う。理論的には、化学エネルギーを全て電気エネルギーに変換できる。出力密度は、0.5W/cm2である。
※この「車載用貴金属フリー液体燃料電池の詳細」の解説は、「貴金属フリー液体燃料電池車」の解説の一部です。
「車載用貴金属フリー液体燃料電池の詳細」を含む「貴金属フリー液体燃料電池車」の記事については、「貴金属フリー液体燃料電池車」の概要を参照ください。
- 車載用貴金属フリー液体燃料電池の詳細のページへのリンク