車における英国趣味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 15:04 UTC 版)
英国趣味は自家用車にも及んだ。駐英大使時代ロールス・ロイスの中型モデル、「25/30HP」1937年式でフーパー製サルーンボディを架装した個体を私品として購入、帰国時には日本に持ち帰り、戦時中に政財界で奨励された皇室・軍等への「自家用車献納」もせず手元に留め置いた。吉田はこの25/30HPロールスを戦後も長く愛用、1950年代には同車をイギリスに送ってオーバーホールを頼んでまで使い続けた。 一方、1960年代に入り日本の自動車輸入制限が緩和された際には、首相時代、西ドイツ首相コンラート・アデナウアーと個人的に交わした「貴国復興の暁にはドイツ車を購入する」という旧約から、当時のドイツ製最高級車メルセデス・ベンツ「300SE(W111)」を購入、その旨の電報をアデナウアーに送っている。いずれも専属運転手の乗務により吉田の足として用いられたが、両車とも吉田没後は麻生太賀吉に引き継がれてのち、日本国内の自動車愛好家に譲られ、2000年代に至っても自走可能なコンディションで保管されている。特にロールス・ロイスは、吉田に関連するテレビドラマやイベントでも公開され、公衆の目に触れる機会が多い。
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