踏面勾配の適正化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 21:40 UTC 版)
蛇行動を引き起こす原因は車輪の踏面勾配による復元力であるため、高速列車においては踏面勾配を小さく取ることが対策の一つとして有効である。日本においては、在来線車両の踏面勾配は1/20が標準であるのに対し、高速運転が前提の新幹線車両では1/40を標準としている。しかし、いたずらに踏面勾配を小さくすると曲線抵抗が大きくなる(曲線区間の通過が困難になる)などの問題もあるため、最小曲線半径に応じた適切な値を取ることが望ましい。 車輪踏面は走行時のレールとの摩擦により徐々に摩耗し、踏面形状が変化してしまう。このため車輪の新製時には問題がなくても、踏面摩耗により蛇行動安定性が悪化して蛇行動が発生するようになる場合がある。例えば、踏面に凹摩耗へこみが1mm程度でも、車輪・レール間の接触点が不連続に移り変わるため蛇行動誘発の原因となるときもある。摩耗による踏面形状は、長期的な踏面摩耗の結果、踏面はレールとなじんだ形状になり形状変化が落ち着くようになる。修正円弧踏面と呼ばれるJR在来線で標準的に使用されている踏面形状は、この最終的になじんだ形状と新製時形状を近づけることで摩耗による踏面の形状変化を緩和させることを1つの観点として設計されている。
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