起源、規則、慣習
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 10:52 UTC 版)
ギュムナシオンが競技者育成の役目を果たしていた運動競技は、早くからギリシア人の社会生活や精神生活に根付いていた。競技は英雄や神々に敬意を表して行われ、定期的な祭礼の一部として行ったり、有力者の葬式の一部として行ったりした。古代ギリシアの生活様式は自由で活動的であり(屋外で過ごすことが多く)、それがスポーツが盛んに行われることにつながり、最終的には運動競技がギリシア文化の特徴の1つとなった。宗教的な運動競技の勝利者は月桂冠以外に賞品も賞金も得ることはなかったが、栄誉と市民からの尊敬によって報いられた。大きな競技に参加する選手の育成は重大事であり、そのために専用の建物が用意され、管理者は都市国家の公務員としてその職務を務めた。大きな宗教的祝典での勝利は、都市国家にとっても栄誉とされた。 アテナイのギュムナシオンの規則は、パウサニアス (i. 39. 3) によれば、テーセウスが制定したものとされる。ソロンも規則をいくつか制定している。ガレノスによれば、クレイステネス(紀元前6世紀後半から紀元前5世紀前半)の時代に実際の運営に適した体系に修正されたという。肉体鍛錬法の起源を明確に示すことは不可能だが、裸で訓練するという慣習は紀元前7世紀ごろに始まった。その慣習はスパルタが起源だと言われている。様々な理論付けがなされていたが、その慣習の主要な理由は男性の肉体美の鑑賞にあったと考えられている。当時非常に高価だった油を身体に塗ったのも、同じ理由からだとされている(身体に塗るための油がギュムナシオンで最も予算を消費した)。
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