赤水西部・東部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 16:17 UTC 版)
貴州省の赤水市に残る丹霞は6個所の中で最西端にあり、赤水はまだ浸食初期と言われている。赤水西部 (Chishui - West Section, ID1335-001) と赤水東部 (Chishui - East Section, 1335-002) に分けて登録されている。前者は赤水風景名勝区 (Chishui National Park) の一部で面積は10142 ha、後者は赤水杪欏(ヘゴ)国家級自然保護区と浠水亜熱帯常緑樹林国家級自然保護区 (Xishui Central Subtropical Evergreen-Broadleaved Forest National Nature Reserve) のそれぞれ一部に該当し、面積は 17222 haである。 赤水の丹霞を形成する岩には鉄分やマンガンが含まれており、それが丹霞地形の赤色を生み出している。しかし、丹霞の多くは緑に覆われており、ところによっては地色の赤が見えにくいほどである。そのため、「緑の丹霞」の異名もあるという。その緑には、ジュラ紀や白亜紀から残る絶滅危惧種のヘゴ(杪欏)の一種も含まれている。ヘゴは上で挙げた「赤水杪欏国家級自然保護区」という自然保護区の名前にも使われている。赤水の丹霞地形に生育する維管束植物は1964種にも及び、115種がIUCNレッドリストに掲載されている。動物相も豊かで、哺乳類72種、鳥類147種、爬虫類37種、両生類31種、魚類117種、昆虫1264種が確認されている。うち368種は中国のレッドリストに掲載されている。 赤水の丹霞は標高240 m から1750 m までの地形によって成り立っており、1500 m を超える高低差は、登録地域の中でも群を抜いている(次に大きい差は江郎山の645 m)。また、「千滝の故郷」の異名をとるほどに滝が多く、丹霞地形の滝としては最大の十丈洞滝や、最大水量を誇る赤水大瀑布(落差76m、幅80m)、弧をえがく燕子岩瀑布、美人櫛瀑布、飛蛙崖瀑布などが見られる。中国の丹霞地形の研究者には、規模、景観美、変化などの面で、赤水丹霞は中国随一の丹霞と評価する者もいる。
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