丹霞地形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/07 16:23 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動丹霞地形(たんかちけい、中国語:丹霞地貌)は、中国南部に見られる切り立った断崖などを特徴とする、赤い堆積岩が隆起した地形である[1]。中国で見られる地形の中でも特異で、主として白亜紀の赤みがかった砂岩や礫岩によって形成されている。名前の由来は丹霞山である[1]。丹霞山にちなんで「丹霞層」という呼び名が1928年に使われ、1939年に地質学者の陳国達が「丹霞地形」という名称を初めて使ったという[2]。
丹霞地形は中国南部に多く見られる。福建省の泰寧県にある丹霞地形は「幼年期」の好例で、深く狭い渓谷が見られる。より年月を経ている丹霞地形だと、さらに侵食が進んで渓谷は広がり、孤立した塔のような地形なども見られるようになる。
形成される景観はカルスト地形とよく似ているものもあるが、カルスト地形が石灰岩で成り立っているのに対し、丹霞地形は砂岩や礫岩で成り立っている。このため、「カルスト地形もどき」 ("pseudo-karst" landforms) とも呼ばれる。
丹霞地形では侵食作用によって、規模も形も様々な洞窟が数多く形成されている。それらはどちらかというと浅く、孤立しており、カルスト地形の鍾乳洞がしばしば深く入り組み、互いにつながっているのとは対照的である。なお、こうした洞穴には古くから人々に利用されてきたものもあり、江西省竜虎山には、洞穴を利用した約2600年前の懸墓遺跡群も残っている[3]。
2010年には、貴州省の赤水、福建省の泰寧、湖南省の崀山、広東省の丹霞山、江西省の竜虎山、浙江省の江郎山にそれぞれ残る丹霞地形が、ユネスコの世界遺産リストに登録された。うち3箇所(泰寧、丹霞山、竜虎山)は、世界ジオパークとして認定されている。
脚注
参考文献
- 王蕾 (2009) 「丹霞を見にやって来るそよ風」(『人民画報』日本語インターネット版)
- 世界のジオパーク編集委員会・日本ジオパークネットワークJGN 共編 (2010) 『世界のジオパーク』 オーム社
関連項目
- 中国丹霞
- 甘粛張掖国家地質公園 - 甘粛省張掖市のジオパーク。以前の名称が「張掖丹霞国家地質公園」
丹霞地形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 16:17 UTC 版)
詳細は「丹霞地形」を参照 日本で「丹霞」といえば、夕焼け雲などの意味だが、中国では地理用語として使われる。 丹霞地形(中国語 : 丹霞地貌、英語 : Danxia landform)とは、中国南部に見られる切り立った断崖などを伴う赤い堆積岩の地形である。「丹霞地形」の名前は直接的には丹霞山に由来し、その山々の断崖が丹(あか)い霞のように見えたことによる。地理用語としての「丹霞」は、中国では1920年代以降に地質学者たちによって使われるようになったという。 主としてジュラ紀から新第三紀に形成されたもので、それらの地形を形成する砂岩や礫岩は中国南部の亜熱帯性の気候において、雨季に川や湖に流れ込むことで堆積した。そして、湿潤多雨な気候による浸食作用や、ヒマラヤ山脈の造山活動を含む大規模な土地の隆起などによって、独特の景観が作り上げられていった。丹霞地形は中国全土で780箇所以上存在しており、2010年時点で138件存在している中国ジオパークのうち、14件が丹霞地形に分類されている。 ただし、世界遺産推薦時(2010年)に勧告を行なったIUCNは、国際的に認知されている定義がまだないとも指摘していた。
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