資産運用を主目的とする「公益」学校法人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 16:00 UTC 版)
「帝京大学医学部裏口入学事件」の記事における「資産運用を主目的とする「公益」学校法人」の解説
裏口入学金の受け入れ先として新聞などで明らかにされた財団法人以外にも、実際の事業規模と比べると不自然なほど巨額の内部留保や有価証券を所有している法人が帝京大学グループには多くある。そのひとつとして2022年2月に雑誌記事で紹介されたのが帝京大学グループの学校法人のひとつである荘山学園である。 これは愛媛県松山市にある、認定こども園一校だけから成る小さな学校法人であるが、土地や建物、教具などの固定資産と比べると、奇妙なほどに巨額の株などの有価証券などを保有している。この法人の総資産は56億円、そのうち株などの有価証券が33億6000万円、現金・預金と見られる流動資産が8憶8000万円の合計約42億4000万円あり、土地、建物、教具などの固定資産10億円余りよりはるかに巨額なのである。もちろん学校法人によるこども園なので、毎年自治体から多額の経常費補助金も受理している。 「大学以外でも、愛媛県松山市で幼保連携型認定こども園を運営する荘山学園は、資産が56億円。そのうち有価証券の簿価が33億6000万円で、現金・預金と見られる流動資産が8億8000万円あり、合わせると金融資産が42億円を占めることになる。教育活動に必要な支出は実質3億円余りなので、事業の規模をはるかに超えた金融資産を持ち、運用益を生み出しているのだ。」 そしてこうした法人の金融資産はすべて帝京大学本部において一括で資産運用され、各法人の窓口では触れることができない事実についても、同雑誌記事で、「帝京グループをよく知る関係者」の証言として紹介された。 「帝京グループの公益財団法人や学校法人が所有する有価証券については、各法人の窓口では一切触れることができません。全て東京都板橋区の帝京大学本部の運用チームの管理下にあります。資産を管理する権限は、佳史氏と寛子氏の夫妻と、ごくわずかな関係者にしかないと考えられます。」 このように帝京大学グループの学校法人までもが、「公益」でありながら、法人運営の目的が学校教育などの事業なのか、それとも事実上沖永家のための資産プールなのかが判断しかねる状態になっている。「公益」法人が株などで資産運用すれば、その配当金も売却益もすべて非課税であり、自らの資産を増やすには「公益」法人は非常に都合がよいからである。 しかも各法人の資産を独占的に一括で運用すれば、それらのスケールメリットによる利回り増大も計り知れない。そしてこれらの巨額の有価証券なども、帝京大学本部直下の運用で増やしていることに加え、そもそもそれら法人資産の原資が何であったかは不明のままなのである。
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