貸金業者の趨勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 02:33 UTC 版)
日本国内の貸金業者数は、1986年に47,504者を数えたが、2020年には1650者と96.5%減少した。貸金業者減少の原因は、資金需要者の保護を目的とする「上限金利規制の厳格化」、及び「過払金返還請求の発生」であるが、これに加えリーマンショックの際には、多くの貸金業者が「資金調達不能」となり、その後の2年間で6千者以上の貸金業者が減少した。株式会社クレイリッシュは、貸金業界全体が縮小するなかで、貸付金の元手となる資金を調達する金融機関に対し、不良債権残高、及び財務諸表などを毎月公開するというガラス張りの経営で、信用を蓄積し、かつ廃業した貸金業者の雇用の受け皿となり、事業規模を大きく拡大した。 設立以来一度も赤字決算がなく、19期連続の黒字決算を計上している株式会社クレイリッシュにも経営の危機はあった。2008年、リーマンショックによる世界的な金融危機が発生した時である。この際、銀行を含む7件の資金調達先にあたる金融機関のうち2件が経営破綻し、3件の金融機関からは新規貸付を停止され、資金を引き揚げられた。 この結果、取引する金融機関は2件にまで減少し、資金繰りは逼迫した。また、担保としていた不動産の価値が大きく下落し、1億円以上の不良債権が発生した。さらに貸金業法が改正され、それまでの法定の上限金利が約半分に制限された。 このためクレイリッシュは、一時的に大口の貸付を減らし、かつそれまでに契約していた保険契約の全てを解約し、1億3千万円の営業外利益を計上し、全ての不良債権を処理(償却又は貸倒引当金を充当)し、破綻を免れた。その後徐々に金融機関との取引が再開し、また新たな金融機関との取引も増え、現在に至る。
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