調律可能なアリコート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 01:13 UTC 版)
「アリコート張弦」の記事における「調律可能なアリコート」の解説
スタインウェイ・アンド・サンズのセオドア・スタインウェイは1872年に調律可能なアリコートの特許を取得した。短い長さのハンマーで叩かれない弦はピアノの高音側の大半にわたってアリコートによってブリッジされる。アリコートは常に、各自の上音と調和した振動を(典型的にはオクターブ重ねと第12倍音)生むような位置に置かれる。これはピアノの高音のパワーと持続性を強化した。個々のアリコートを正確に配置するのには時間がかかったため、スタインウェイは個別のアリコートを見捨てて、つながった鋳造棒に乗り換えた。この金属製棒はデュープレックスブリッジ点の全体をそれぞれ構成する。スタインウェイ社は正確にブリッジを組み立て点注意深くデュープレックス・バーを配置することで、こまごまと手のかかることなくきっと同じ結果が達成できると思った[要出典]。 1854年にボストンで設立されたメイソン・アンド・ハムリンは個別のアリコートを使用し続けた。彼らはこれらの短い長さの弦の調律がデュープレックス・バーで得ることができるものよりも正確であると感じた。位置が固定されたデュープレックス・バーを用いると、鋳物またはブリッジピンの位置の小さな変化がデュープレックス弦の長さの不完全さを生み出しやすい。そのうえ、湿度の変化はスピーキング・スケールと比べてデュープレックス・スケールをより早く動かすため、アリコート位置の再調整はデュープレックス・バーの再配置よりも実用性が高い[要出典]。 イタリアのピアノ製造業者ファツィオリは可変式ブリッジによる独立アリコート方式を採用している。
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