誕生と繁栄とは? わかりやすく解説

誕生と繁栄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 15:02 UTC 版)

古鯨類」の記事における「誕生と繁栄」の解説

かつて、古鯨類は、歯の特徴基づいて原始的有蹄動物の一グループであるメソニクス目から進化した考えられていた。しかし近年では、新機軸による分子系統学伝統的な形態学それぞれにもたらす新しい知見を容れて、偶蹄目カバ科姉妹関係にあるとの見方支配的になった。古鯨類祖型カバ類の祖型でもある)は、白亜紀後期あるいは暁新世早期のうちに、現在「偶蹄類」と呼ばれている偶蹄動物原始的なグループの中から分化した考えられる分子系統学によれば、のちにラクダイノシシ進化する系統比しては、彼ら(鯨凹歯類)は遅れて分岐した。しかし、反芻類絶滅した原始的反芻類と、現存する反芻類)につながる系統よりは早い時期分岐したとされている。その後クジラ祖先カバ生み出す系統とも分かれ、海棲の哺乳類としての進化の道を辿ったものであろうとされる白亜紀末期の大量絶滅K-T境界)において、それまで長く繁栄していた首長竜などの海棲の大型爬虫類絶滅し当時海洋生態系においては空白生じていた。クジラ祖先は、この空白埋める形で大型海棲動物としての適応遂げていったと推測される大部分古鯨類後肢具えていて、現生鯨類とは明らかに違っている。始原的な種は頑丈な四肢具えた完全な陸棲動物であった考えられ、現在最もそれに近いと目されているのは最古クジラであるとされ四肢を持つ動物でもあったパキケトゥスである。海進時代である始新世迎えて古鯨類は、暖かく広大な浅海であるテティス海中心として大い栄え多様かつ急速に進化していったと見られる四肢へと変わり陸棲向きである三半規管退化して海棲向きである骨伝導構造持ったクジラ類特有の耳骨等がそれに取って変わる。この進化流れ非常に速く、同じ世の後期初頭には、初期クジラ類とは著しく異なレベルでの適応果たし長大体躯を持つバシロサウルス段階にまで達した。すなわち、わずか800万年ほどの短期間で、クジラ類陸棲から海棲という全く異な環境への適応プロセス基本的に完了していたことになる。

※この「誕生と繁栄」の解説は、「古鯨類」の解説の一部です。
「誕生と繁栄」を含む「古鯨類」の記事については、「古鯨類」の概要を参照ください。

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