試製X弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 15:15 UTC 版)
口径6.5mmのX弾/Y弾については「三八年式実包#試製普通実包X弾/Y弾」を参照 特殊な目的に対して有効な殺傷威力を発揮するよう企図した弾丸を使用する弾薬。 1940年(昭和15年)2月の第一回試験は口径6.5mmの「試製普通実包X弾/Y弾」を用いて行われたが、1941年(昭和16年)3月の第二回試験では口径7.7mmに変更された。この際、従来のX弾系のものを廃し、弾身先端部に空間を設けて薬剤を充填したY弾系を改良したものを改めて「試製X弾」と名づけた。この新X弾の内、複数の縦溝・横溝を被甲の外部に施したものを「試製X弾(甲)」、内部に施したものを「試製X弾(乙)」とし、弾身の材質を硬鉛第一号とした他は九九式普通実包とほぼ同じあった。また、新たにトーチカの銃眼に対する射撃試験も行い、破砕した破片による効果についても検証を行った。 同年7月の第三回試験においては、前回試験で製造および秘匿が容易であるとされた試製X弾(乙)を改良したものが用いられた。本試験により、試製X弾は機能良好で精度についても制式実包と大差なく、弾丸の機能についても所期の目的を達成したという判決を得た。 1942年(昭和17年)3月の第四回試験では擬薬(食塩)だけではなく本薬(実際に使用する毒物)が充填された試製X弾も用意され、実際に動物(豚)に対して射撃し、その殺傷威力を検証する試験も行ったと思われるが、結局完成には及ばなかった。
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