言語システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/15 06:29 UTC 版)
MBASICはインタプリタである。プログラムのソースはトークン化された形でメモリに格納され、BASICのキーワードを1バイトのトークンに置き換えることで、メモリ容量を節約し、実行を高速化した。行番号を先頭に書いた行はプログラムテキストとして保存され、行番号を先頭に書かないBASIC文はコマンドとして直ちに実行される。プログラムは編集のために画面に表示したり、圧縮されたバイナリ形式またはプレーンなASCIIテキストとしてディスクに保存したりすることができた。ソースの各行は行番号で識別され、GOTOやGOSUBの転送先として使用することができる。ソースの編集には行編集コマンドのみが提供されていた。プログラムをプレーンテキストとして保存し、フル機能のテキストエディタで編集することがしばしば行われた。 プログラムテキスト、変数、ディスクバッファ、そしてオペレーティングシステム(CP/M)自体も、全てIntel 8080プロセッサの64キロバイトのアドレス空間を共有しなければならなかった。通常、MBASICを最初に起動したときには、64キロバイトのRAMを搭載したマシンであっても、プログラムやデータに使用できるメモリは32キロバイト以下になる。 REM キーワードやアポストロフィを先頭にしたコメント行をプログラムのテキストに配置することがはできたが、貴重なメモリスペースを占有してしまうため、ユーザがコメントをあまり残さないようになった。より大きく複雑なプログラムを実行できるようにするために、MBASICの後のバージョンでは、プログラムテキストの一部を読み込んでプログラム制御下で実行できるようにする関数が追加された( CHAIN (英語版)や MERGE 文)。"shell"コマンドの実行には対応していなかったが、この機能はプログラマによって複製することができた。 MBASICの特に優れた点は、シンタックスエラーやランタイムエラーのようなエラーメッセージが全文表示されることだった。MBASICには、実行時に行番号を表示する"trace"機能もあった。これは通常のプログラム出力と同じ画面スペースを占有するが、無限ループのような状態を検出するのに役立った。
※この「言語システム」の解説は、「MBASIC」の解説の一部です。
「言語システム」を含む「MBASIC」の記事については、「MBASIC」の概要を参照ください。
- 言語・システムのページへのリンク