個別言語の成立条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 01:10 UTC 版)
個別言語学の前提には、その研究対象である個別言語の存在と、その範囲の確定がなくてはならない。しかし、個別言語とは何かという定義の根幹にも関わる問題として、個別言語と方言の区別の規準、あるいは、個別言語の変種は、どこまで変種化が進行すれば、別個の個別言語となるのかの規準の問題がある。 個別言語と考えられる言語システムとその方言と見なされる言語のシステム、あるいは、個別言語とその連続的ヴァリエーションとも言える、変種システムのあいだの比較においては、「言語的事実」として、区別が存在する場合と、存在しない場合がありえる。 人間の言語は、人間の社会におけるシステム現象であれば、ある社会集団における個別言語の認知と、別の社会集団における個別言語の認知は、異なっていても、これもまた「言語的事実」である。それ故、当然のことであるが、社会での認知を離れた、「普遍的で、客観的に定義される個別言語」は存在しないが、しかし同時に、同じ言語的事実において、個別言語はまた社会に認知されて存在していると言える。 このような意味で、個別言語は成立しており存在している。また、その研究の学としての個別言語学も、個々の個別言語について成立している。
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