言語と翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 17:02 UTC 版)
「リブレット (音楽)」の記事における「言語と翻訳」の解説
最初にイタリア語でオペラが書かれたことから、18世紀を通じてヨーロッパでは(フランスを除いて)イタリア語の使用がこのジャンルでは支配的だった。ロシアでは19世紀になっても、サンクトペテルブルクにはイタリア・オペラ一座があり、自国語ロシア語のレパートリーの出現を求められていた。1800年以前の例外としては、ヘンリー・パーセルの諸作品、バロック期のハンブルクのドイツ語オペラ、18世紀にはバラッド・オペラ、ジングシュピールなどがある。 文学や歌と同様に、歌詞は多くの翻訳の問題・難問を抱えている。かつて(さらに現在も)台詞のある外国語の音楽劇、とりわけ喜劇は、歌のパートは原語で、台詞のパートはその土地の言葉で上演されることもあった。しかし、それは、ミュージカルやオペレッタを本当に理解できない人々に、「歌詞は重要なものではない」という誤まった考えを与えてしまうことになった。ベティ・グレイブル、ドン・アメチー、カルメン・ミランダといった役者の魅力を活かすように書かれたミュージカルならそう支障はないかも知れないが、『ショウボート』、『オズの魔法使い』、『マイ・フェア・レディ』、『回転木馬』といった、歌詞が単に曲のおまけではなく、台詞と一つになって全体を構成し、筋に深くかかわるようなミュージカルでは重大である。今日では、原語で歌う時、翻訳を印刷して渡すか、映写することができるが、それでも自国語で歌を聞きたいという欲求は残るだろう。
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