血管作動性薬剤陰茎海綿体注射
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 01:54 UTC 版)
「勃起不全」の記事における「血管作動性薬剤陰茎海綿体注射」の解説
陰茎海綿体に末梢血管作動薬を直接注射し、いわば機械的に陰茎を勃起させる治療で、陰茎や血管系に解剖学的な問題のないケースであれば効果が期待できる。注射後30分 - 60分程度、勃起を継続させることが可能。2008年現在日本国では自己注射は未承認であるためが、看護師の指導のもとでこれが行われる場合もある。80%のケースにおいて改善が認められ、この手法でリハビリを行えば、患者の自信の回復や海綿体の血管の機能改善により、勃起の回復も期待できる。主に使用される薬剤は2種類ある。 プロスタグランディンE1 / PGE1 海綿体平滑筋と螺行動脈平滑筋を弛緩させることで陰茎を勃起に導く。比較的高価であり、若干の陰茎痛を伴う。血圧低下、嘔吐、めまいなどの副作用が出る為、慢性疾患を持つ患者への適用は慎重さが求められる。 パパベリン 比較的安価ではあるが、持続勃起症と海綿体の繊維化、硬結の副作用が見られる。代謝されにくく、PGE1より持続勃起症が多く見られる。 また、この2種の混合のほか、フェントラミンを混合するケースも見られる。なお、PGE1の場合でも1.3% - 2.0%で4時間以上の勃起が見られる。この場合には速やかに医師の診察を受ける必要がある。この際には各種薬剤による治療、陰茎への穿刺による血液の吸引、バイパス手術などが行われる。持続勃起症#治療も参照。 なお、高濃度のPGE1を尿道内に注入して勃起させる治療法もあるが、有効率が43% - 71.2%と低い上に副作用が見られたため、現在はあまり用いられていない。また、ニトログリセリンを局所投与することでも改善が期待できる。ただし頭痛等の副作用がある。
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