血洞毛とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 血洞毛の意味・解説 

洞毛

(血洞毛 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/06 18:32 UTC 版)

の洞毛(目の上にもある)。

洞毛(どうもう)、あるいは血洞毛(けつどうもう)は、哺乳類の、主に口吻にある、状の感覚器官。対して通常の毛は体毛と呼び区別する。触毛震毛とも呼ぶが、この場合、哺乳類の洞毛に限定せず、生物の毛状の感覚器官全般を指す。

一般にはヒゲと呼ぶが、ヒトヒゲや、ヤギのアゴヒゲなどについては、洞毛ではなく体毛である。

概要

起源は古く、ペルム紀の地層から出土した、哺乳類の祖である初期獣弓類化石に洞毛の痕跡が認められる。

基本的な構造は体毛と同じである。ただし、毛包海綿体様組織があり、そこに血液が流入して静脈洞を形成している。これが洞毛の名の由来である。洞毛の感覚三叉神経によって伝達され、洞毛の運動顔面神経が司っている。神経の数は体毛の数十倍で、接触を鋭敏に感じることができる。また、毛根部には横紋筋がある。洞毛の配列は変化しにくいので、ライオンなどでは個体識別に使われる。

食肉類齧歯類海牛類で特に発達している。通常、口吻に生えているが、ネコではの上、の横、前肢の関節付近の裏側にも生えている。ジャコウネズミキツネザルでは手根部に生えているなど、顔以外の部分に生えることもある。

英語ではvibrissa(ヴァイブリッサ)(複数形 vibrissae(ヴァイブリッシー))だが、ヒトの髯(ほおひげ)と同じwhisker(ホイスカー、ウィスカー)とも呼ぶ。針状の金属単結晶ウィスカーと呼ぶのは、洞毛に喩えたものである。

哺乳類だが洞毛ではないヒゲ

ヒト

ヒトのヒゲは洞毛ではなく体毛であり、ヒトは哺乳類の中で珍しく洞毛を持たない種である。なお、胎児段階で失われるのではなく、初めから生えない。霊長類は洞毛が退化する傾向があり、旧世界猿ではほとんど目立たず、類人猿では消失している。これは、鉤爪から扁爪へと変化した事で指球が発達、指先の感覚が鋭敏となったことで洞毛が不要になったためと考えられている。

ヤギ

ヤギのアゴヒゲについては洞毛ではなく体毛。

ヒゲクジラ

ヒゲクジラ鯨鬚口蓋の横の襞から伸張した角質板で、洞毛ではない。真の洞毛は口の外にごく短いものが並んでいる。

参考文献

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「血洞毛」の関連用語

1
12% |||||

血洞毛のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



血洞毛のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの洞毛 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS