融雪剤による塩害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 14:42 UTC 版)
電離作用の大きい塩素イオンなどを利用した化学材料を使用する場合、鋼材の腐食や土壌の固化など環境への影響を考慮する必要がある。特に鉄筋コンクリートの構造物では、融雪剤がコンクリートの割れ目から浸透し、鉄骨や鉄筋を錆により腐食・劣化させ、強度減少が発生し、構造物の安全性が保てなくなってしまう。また植物に関しては、生化学的性質が食塩に類似しているため、塩化カルシウム等の塩害により、海岸部のように草木が生えなくなってしまう(植物を植えても枯れてしまう)。このような事態を防ぐために、塩化カルシウム等に代わる『代替品』に切り替える対策が模索されている。 無機塩に比べると、有機塩は環境に優しいが費用が高くなる。また、有機塩のカルボン酸塩防氷剤でも、製造方法によって組成成分には違いがあり、塩素や硫黄を僅かに含んだだけで、金属腐食が大きく表れる場合がある。 有機塩と無機塩の塩混合物を利用する場合もあり、無機塩に有機塩を25%以上混合すると、金属腐食が75%程度削減されるが融氷性能は低くくなる。 なお、日本では道路に散布されたものが河川にも流失することから、水質汚濁防止法の排水基準を遵守する必要がある。
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