蔑称としてのヴィジュアル系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 08:26 UTC 版)
「ヴィジュアル系」の記事における「蔑称としてのヴィジュアル系」の解説
上記の通り、当初この言葉自体に侮蔑的な意味合いは込められていなかった。当時のミュージシャンの多くが優先していたのはあくまでサウンドであり、メイクは世界観を表現するためであったり、観客を喜ばすためのものだったが、1990年代から2000年代にかけて、ヴィジュアル系という用語は中身よりも外面重視というような批判を込めた差別的な言葉だととらえられていた。音楽評論家の市川哲史は、当時"ヴィジュアル系"という言葉がシーンでどのように受け止められていたかについて、「僕が仕事的に関わっていた黎明期から隆盛期――あの時代のバンドたちはそもそも自分たちをV系だとは思ってなかったし、表立ってヴィジュアル系といわれることに否定はしないけど『今に見てろよコラ』みたいな、差別語・侮蔑語的な捉え方をしているバンドが多かったですねぇ」と証言している。このように1990年代のヴィジュアル系バンドの中にはヴィジュアル系と称されるのを嫌がるものも多く、実際にL'Arc〜en〜Cielが番組内で「ヴィジュアル系バンド」と呼ばれたことを理由にポップジャムへの出演をキャンセルする事件が起きている。 ヴィジュアル系が差別された要因としてはさまざまなものが考えられる。音楽雑誌が各々ジャンルを区別し、バンドの掲載可否を決めたことが結果的にはファンや関係者の意識に作用したという説もある一方、オタクカルチャーのような「コスプレ的」、「キャラクター的」な側面が嫌悪されたのではないかという説もある。
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