荒天下での行方不明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 08:58 UTC 版)
1975年2月21日、東京港から苫小牧港へ向かっていた本船が、低気圧の接近による大荒れの中、24時間にわたって行方不明となる事件が発生した。本船は金華山沖を航行中の21日20時ごろ「大時化のため進路を変えるので到着は5時間ほど遅れる」との連絡を最後に消息を絶ち、通報を受けた海上保安庁の巡視船艇が捜索した結果、翌22日20時ごろ、無事航行中であるとの連絡が入り、無事が確認された。苫小牧港へは32時間45分遅れで到着した。 行方不明となった原因は、本船の通信設備が貧弱で交信範囲外へ出てしまったためである。当時の船舶安全法では航海区域を沿海区域(陸から20海里以内)とする船舶の場合、大型客船であっても無線電信(モールス通信)を近距離用の無線電話で代替可能とする例外規定が設けられており、本船では到達距離が30海里程度の沿岸VHF無線電話および国際VHF無線電話を装備していた。本船の行方不明事件を受けて運輸省は長距離フェリーへの中波無線電信の装備および通信士の乗船など行政指導を行い、日本旅客船協会へ運航管理の強化を指示した。
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