荒妙の奉織
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/15 01:45 UTC 版)
荒妙は神麻績機殿神社境内の八尋殿で奉織される。男性の織子は毎朝8時に出勤する。白衣白袴を着用し、指先を荒らさないようにするのは和妙の奉織と同様である。織機に縦糸を取り付け、横糸を糸巻き機で巻いた後に水に浸ける。 かつては近辺の松阪市御麻生薗(みおぞの、神宮の麻園に由来する地名とされる)産の麻を使用していたが、現在は奈良県奈良市月ヶ瀬産の麻を使用している。 910本の縦糸で幅1尺(約30cm)、長さ4丈1尺(約12.4m)の荒妙を織る。作業は織子4人で行なう。1人が織機を操作し、1人は伸子(しんし)を張り替え、残りの2人は織機の左右両側で待機し、糸が切れたら繋ぐ。 麻糸の引張り強度は湿度で大きく変化する。湿度が低いと特に切れやすくなってしまうが、逆に高すぎてもやや切れやすくなるため、奉織の進み具合は天候に大きく影響される。通常5-6日で織り終わるが、作業が遅れると蝋燭の灯りを頼りに夜遅くまで作業し、10日ほどかかることもあるという。 織り上げた荒妙は数日乾燥させ、御衣奉織鎮謝祭まで八尋殿に安置される。 ウィキメディア・コモンズには、神麻続機殿神社に関連するメディアがあります。
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