草稿と刊行本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 05:25 UTC 版)
編纂者である内藤家や森嶋家には編纂課程の草稿が残されており、『国志』には反映されていない内容も含むため歴史資料として注目されている。内藤家にはそのうち国中三郡の草稿類が残されており、山梨県教育委員会による調査が行われ、昭和40年(1965年)8月19日に「甲斐国志草稿本及編集諸資料」として山梨県指定有形文化財となっている。 一方、郡内の森嶋家は直系子孫が途絶えており、明治後に東京へ転居しているため家財が整理され、震災や戦災の影響も受け蔵書目録に記されている草稿資料の多くは散逸している。1976年(昭和51年)には当主により残存資料が都留市立図書館へ寄贈され、現在はミュージアム都留に移管されている。 幕府献進本は献本を含めて3冊が国立公文書館「内閣文庫」に所蔵されており、写本は甲州文庫本として山梨県立図書館に所蔵され、現在は山梨県立博物館に移管されている。また、東京大学や京都大学にも写本が所蔵されている。「内閣文庫」の幕府献進本は佐藤八郎によれば将軍・徳川家斉の上覧後に昌平坂学問所に収蔵されたとしているが、同所の蔵書印が見られないことも指摘されている。 刊行本は幕府献進本を底本とした『大日本地誌大系』収録本(1968年刊行、1998年に再刊、佐藤八郎校訂、雄山閣)ほか、『甲斐志料集成』、『甲斐叢書』収録本など各種がある。
※この「草稿と刊行本」の解説は、「甲斐国志」の解説の一部です。
「草稿と刊行本」を含む「甲斐国志」の記事については、「甲斐国志」の概要を参照ください。
- 草稿と刊行本のページへのリンク