茶の本とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 茶の本の意味・解説 

ちゃのほん【茶の本】

読み方:ちゃのほん

The Book of Tea美術評論家思想家岡倉天心による英文著作茶道通じて日本人精神文化や生活観を解説したもの。1906年ニューヨークのフォックスダフィールド社より刊行邦題は「茶の書ともする


茶の本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/26 13:50 UTC 版)

The Book of Tea
Title page of the American edition of The Book of Tea
著者 岡倉天心
United States
言語 English
出版社 Duffield & Company
出版日 1906
ページ数 160

茶の本』(ちゃのほん、The Book of Tea)は、岡倉天心の著書。原文は英語

概要

日本茶道を欧米に紹介する目的で、1906年(明治39年)、米国ボストン美術館で中国・日本美術部長を務めていた天心が、ニューヨークの出版社から刊行した。茶道を仏教)、道教華道との関わりから広く捉え、日本人の美意識や文化を解説している。天心没後の1929年(昭和4年、岩波文庫)に邦訳された[1]。訳者は、天心の弟・岡倉由三郎の弟子である村岡博(1961年6月5日、村岡の嗣子である村岡博人によって第38刷改版となった[2]。その後、2007年4月5日に第105刷改版発行)で、約90年を経て(2019年初時点)118刷56万部に達した(2024年10月時点で第127刷)。

新渡戸稲造の『武士道』と並んで、明治期の日本人による英文著書として著名で、ジャポニズム興隆や日露戦争における勝利によって、日本への関心が高まったヨーロッパ各国(スウェーデンドイツフランススペインなど)でも翻訳された。世界的な名著を集めたペンギン・ブックス双書にも2016年に加えられた(著者名は本名のKakuzo Okakura)。

岡倉天心にとって「茶の本」は、現在を永遠とするための美の教典である。また、岡倉が最後に執筆したオペラ台本「白狐」は「茶の本」には、東洋と西洋を暗示する二匹の龍が玉を争う場面が描かれており、東洋と西洋が理解しあい、世界が調和することを願った岡倉の白鳥の歌である。[3]

主な解説書

関連書籍

脚注

  1. ^ a b 【明治の50冊】(40)茶の本 岡倉天心/平和の精神と輝く気概産経新聞』朝刊2019年1月7日(文化面)2019年1月20日閲覧。
  2. ^ 岡倉著・村岡訳『茶の本』岩波書店 1929年 pp.13-14「改版に際して」中に、福原麟太郎により記載がある。
  3. ^ 茨城大学 五浦タイムズ、六角堂と「茶の本」、小泉晋也、「茶の本」とオペラ「白狐」(実演された)、清水恵美子、2019年4月11日閲覧
  4. ^ 2015年1月度の番組放送テキストを改訂

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「茶の本」の関連用語

茶の本のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



茶の本のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの茶の本 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS