武士道_(新渡戸稲造)とは? わかりやすく解説

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武士道 (新渡戸稲造)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 14:24 UTC 版)

武士道
Bushido: The Soul of Japan
『武士道』表紙
著者 新渡戸稲造
訳者 櫻井鴎村(1908年)
矢内原忠雄(1938年)
発行日 1899年
アメリカ合衆国
言語 英語
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武士道』(ぶしどう、英語: Bushido: The Soul of Japan)は、1899年に刊行された新渡戸稲造による著書。原文は英語で書かれ、アメリカ合衆国で出版された。

概要

日本武士道を欧米に紹介する目的で1899年(明治32年)にフィラデルフィアで刊行された。思想家・教育家として著名な新渡戸が、日本人の道徳観の核心となっている「武士道」について、西欧の哲学と対比しながら、日本人の心のよりどころを世界に向けて解説した著作で、新渡戸自身の代表作となっている。内村鑑三の『代表的日本人』、岡倉天心の『茶の本』と並んで、明治期に日本人が英語で書いた著書として重要である[1]。執筆は、カリフォルニア州モントレーで行っていた。

日本では1900年に裳華房により翻刻され、15,000部が売れたといわれる[2]。1908年(明治41年)には櫻井鴎村によって日本語にも翻訳され、1938年(昭和13年)に岩波書店から刊行された矢内原忠雄による翻訳が現在の定本となっている[3]

一方、天皇へのキリスト教徒の不敬を弾劾した井上哲次郎[4]君が代』と『古事記』を英訳したバジル・ホール・チェンバレン、皇室学者の津田左右吉などからは「新渡戸の『武士道』が誤った日本像を海外に広め、あるべき概念を混乱させている」等と内容を批判された[5]

各章

  • 第1章 道徳の体系としての武士道
  • 第2章 武士道の淵源
  • 第3章 義または正義
  • 第4章 勇気、敢為堅忍の精神
  • 第5章 仁、側隠の心
  • 第6章 礼儀
  • 第7章 正直と誠実の心
  • 第8章 名誉
  • 第9章 忠義
  • 第10章 侍と教育と訓練
  • 第11章 克己
  • 第12章 自害と敵討ち
  • 第13章 刀・侍の魂
  • 第14章 女性の訓練と地位
  • 第15章 武士道の感化
  • 第16章 武士道はなお生きているか?
  • 第17章 武士道の将来

書籍

原文

日本語訳

脚注

  1. ^ 『現代語新訳 世界に誇る「日本のこころ」3大名著』(パン・ローリング、2015年12月発売)など。
  2. ^ 歴史”. 裳華房. 2024年1月7日閲覧。
  3. ^ 小田光雄 (2016年1月24日). “古本夜話531 新渡戸稲造『武士道』と桜井鷗村”. 出版・読書メモランダム. 2024年1月7日閲覧。
  4. ^ 『明治三十四年陸軍中央幼年学校講演記録』より「近頃新渡戸稲造と云ふ人が武士道といふ書物を英文で書き~」
  5. ^ アレクサンダー・ベネット『近代国家日本が創り出した武士道』(関西大学 准教授、2010年10月)

関連項目

外部リンク


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