芸術における使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 09:45 UTC 版)
また洋の東西を問わず絵画制作の際に支持体として使われていた。日本で、既に8世紀には国宝の「薬師寺吉祥天像」など仏画が(どうさ引きされた)麻布に描かれていることから、中国大陸ではもっと早い時代から使用されていたことが窺える。西洋では、テオフィルスの書には12世紀-13世紀頃までは板に馬や羊の皮を薄くなめしたものを貼り合わせ上に地塗りがされたことが書かれているが、14世紀頃にはすでに麻布(要素材詳細)が貼られるようなっていた。これは当時の破損した作品が修復された際の報告書などから確認できる。 エジプト先王朝時代の紀元前3500年から起源前3100年頃の、リネン製のドレスが見つかっている。同時期に、亜麻(リネン)の布によるミイラづくりが始まり、起源前1550年ごろにはそこに『死者の書』の文が、起源前1000年頃にはオシリス神などが描かれる 1世紀頃のエジプトのファイユーム地方ではミイラの棺の顔の部分には麻布(上記からおそらくリネンを指す)が貼られ、死者の生前の肖像が描かれていた。そこにはきわめて興味深い絵画技術が使われていたために、発見当時からパリの芸術院など貴族階級のあいだで話題となった。18世紀になって出土したこの古代の肖像画はエンコスティックあるいはエンカウスティークと呼ばれる鑞を使った最古の絵画技法を用いていた。
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