船体ダブルハル化対象の拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 21:00 UTC 版)
「ナホトカ号重油流出事故」の記事における「船体ダブルハル化対象の拡大」の解説
本船は船齢25年を超える老朽船であり、船体構造を二重化した所謂ダブルハル構造になっていなかった。この構造を標準化させるため、発災時点で国際海事機関 (IMO) はマルポール条約にタンカーの船体構造に関する規定を設けており、その規定では1993年7月6日以降に建造契約する積載量5000トン以上のタンカー、や現存タンカーの内積載量3万トンを越えるものについてはダブルハルとするように義務付けていた。しかしながらナホトカ号はどちらの規定からも漏れていた。そのため、同条約の改正が1999年11月のMPEC43で採択され、このようなタンカーは25年で廃船とするように義務付けされた。その後、1999年12月、エリカ号事故を契機に2001年4月のMPEC46で、また2002年11月のプレスティージ号重油流出事故(英語版)のため2003年12月のMPEC50にてダブルハル化の促進するための決議が相次いで採択されている。なお、条約改正に伴い日本国も国内法の海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(海洋汚染防止法)が改正され、寄航国による監督 (Port State Control, PSC) も強化された。
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