自明な解と非自明な解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/07 07:14 UTC 版)
「自明性 (数学)」の記事における「自明な解と非自明な解」の解説
数学において、用語自明なは対象(例えば群や位相空間)であって非常に単純な構造を持つものに対して頻繁に使われる。非数学者にとって、それらは他のより複雑な対象よりも視覚化したり理解したりするのが難しいことがある[要出典]。 次のような例がある: 空集合: 元を全く持たない集合 自明群: 単位元しか持たない数学の群 自明環: シングルトン上定義された環。 自明なは非常に単純な構造を持つ方程式の解を記述するためにも使うことができるが、完全なものにするために省くことはできない。これらの解は自明な解 (trivial solution) と呼ばれる。例えば、微分方程式 y ′ = y {\displaystyle y'=y} を考えよう。ここで y = f(x) は関数であってその導関数は y′ である。自明な解は y = 0、零関数(英語版) であり、一方非自明な (nontrivial) 解(の 1 つ)は y (x) = ex、指数関数 である。 境界条件 f ( 0 ) = f ( L ) = 0 {\displaystyle f(0)=f(L)=0} をつけた微分方程式 f ″ ( x ) = − λ f ( x ) {\displaystyle f''(x)=-\lambda f(x)} は数学と物理において重要である。例えば量子力学において箱の中の粒子を記述したり、弦上の定常波を記述したりするときに現れる。それはいつも解 f ( x ) = 0 {\displaystyle f(x)=0} を持つ。この解は明らかと考え"自明な"解と呼ぶ。ある場合には、他の解(正弦波)があり、"非自明な"解と呼ばれる。 同様に、数学者はフェルマーの最終定理を次のように主張するものとしてしばしば記述する。n が 2 よりも大きいとき、方程式 a n + b n = c n {\displaystyle a^{n}+b^{n}=c^{n}} には非自明な整数解が存在しない。明らかに、方程式の解は存在する。例えば、 a = b = c = 0 {\displaystyle a=b=c=0} は任意の n に対して解であるが、そのような解はすべて明らかであり興味がなく、したがって「自明」である。
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