自己文書化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 21:16 UTC 版)
Emacsには最初から各個別のコマンド、変数、内部関数の説明文字列を表示する、強力なhelpライブラリが付属していた。このため通常の機能や現在の状態の情報をユーザーに提供するので、Emacsは自己説明的だと評される。各関数には説明文字列が含まれていて、要求に応じてユーザーに表示される。その後関数に説明文字列をつける習慣は、LISP、Java、Perl、およびPythonといったさまざまなプログラミング言語に広まった。このヘルプシステムにより、ユーザーは組込みのライブラリや追加されたサードパーティーのライブラリのどちらからも各関数用の実際のヘルプコードを取得できる。 Emacsには組み込みのチュートリアルもある。編集ファイルを指定せずEmacsを起動すると、簡単な編集コマンドの実行方法とチュートリアルを呼出す方法についての説明が表示される。このチュートリアルはStuart Cracraftとリチャード・ストールマンによって作られたものである。 GNU Emacsには組込みの説明文字列のほかにも、リチャード・ストールマンの執筆したGNU Emacs Manualの電子コピーがついており、組込みのInfoブラウザで閲覧することができる。電子版のほかに、3種のマニュアルがフリーソフトウェア財団から書籍のかたちで刊行されている。 XEmacsの場合、ソフトウェア本体と同時にGNU Emacs Manualからフォークした同様のマニュアルがある他、Bill Lewis、リチャード・ストールマン、Dan Laliberte共著のEmacs Lisp Reference Manual、Robert Chassel著のProgramming in Emacs Lispも含まれている。 texinfoはGNU Emacsの標準ドキュメントシステムであり、Emacsのマニュアルはtexinfoでドキュメント化されている。texinfoはTeXをベースにしたマークアップ言語を使って記述し、ハイパーテキスト的なブラウジング・検索が可能なオンラインドキュメントinfoとして使用することも、TeXを経由して組版されたペーパドキュメントとしても利用することができる。
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