背景と伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/31 11:10 UTC 版)
タクツァン僧院に関連したラカン(英語版)のナムタル(英語版)(チベット仏教における聖人伝)によると、タクツァンは「雌トラの隠れ家」を意味し、パドマサンバヴァが雌トラの背に乗ってシンゲ・ゾン(ロシア語版)からこの地に降り立ったと信じられている。 皇帝の元妻であったイエイシェ・ツォギャル(Yeshe Tsogyal)が、チベットにて進んでパドマサンバヴァの弟子となったという伝説もある。その後ツォギャルは雌のトラへと姿を変え、パドマサンバヴァをチベットから現在のタクツァン僧院の建つ地まで背負って運んだとされている。パドマサンバヴァはこの地にある洞窟の1つにて瞑想を行い、8つの化身として現れたことで、この地が神聖な場所となった。その後、この地は「トラの巣」と呼ばれるようになった。 最も有名な伝説は、ブータンの支配者であったテンジン・ラブジー(Tenzin Rabgye)の物語によってさらに脚色された。この物語の著者は、8世紀の教祖であったパドマサンバヴァがラブジーとして転生したと記している。このことの証拠として、ラブジーのいた洞窟の内外で友人らが同時にラブジーを目撃したことや少量の食料で全ての訪問者の腹を満たしていたこと、僧院までの道は危険で滑りやすいのにも関わらず、道中で負傷した参拝者がいなかったこと、渓谷にいた人々が空中に様々な動物の形やフラワーシャワーを含んだ宗教的な象徴がいるのを目撃し、地面に触れることなく空中に消失したことが挙げられている。
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