職業安定法と労働者派遣法との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 09:38 UTC 版)
「事前面接」の記事における「職業安定法と労働者派遣法との関係」の解説
派遣先が派遣労働者を特定をするという場合には、派遣先と派遣労働者の間に雇用関係が成立する、または雇用契約の成否を左右し雇用者としての地位に関与するものとし、労働者供給事業に該当(職業安定法第44条の労働者供給事業の禁止規定違反)する可能性がある。 労働者派遣法では事前面接の禁止を努力義務としているものの、職業安定法では労働者供給事業に該当し刑事罰が科せられる可能性があることから、労働者派遣法の罰則が軽すぎるとの指摘もなされている。 また派遣労働者の就業機会が不当に狭められる恐れがあることから、事前面接等の特定目的行為を禁止している事由の一つとして提示されている。 派遣先が派遣労働者の配置に関与した場合は2重の雇用関係につながり、職業安定法で禁止された労働者供給事業となる。取締法規である職業安定法を所管する厚生労働省は派遣労働者の配置への関与のみならず、派遣労働者の特定を目的とする行為をしたとする条件のみで2重の雇用関係(派遣先との雇用関係成立)となる蓋然性があるとしており、事前面接、履歴書・スキルシート配布の行為そのものが労働者供給事業違反罪を構成することになる。 派遣労働者の特定により、派遣先が労働者の配置に関与することになると、労働者派遣契約ではなく労働者供給事業にあたる(労働者派遣法第2条1項)ため派遣会社による労賃のマージン(ピンはね)取りは中間搾取にあたる。このため職安法第44条の趣旨である中間搾取や強制労働等の前近代的な雇用形態の民主化に抵触し職業安定法44条の構成要件を満たす。
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