羊羹色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 02:18 UTC 版)
羊羹色(ようかんいろ)とは、羊羹の色に似た渋い茶褐色のことである。 ただし本来は羊羹そのものの色を指したのではなく、黒い色であるべきものが雨風に晒されて日に焼け、羊羹のような色に変わり果てたという例えで用いられたものとされる。羊羹色と同一とする説のある百塩茶(後述)との色合いの違いは、色落ちして結果的に羊羹の色のように見えた色と染色して意図的に羊羹の色のようにした色との違いだとする見解もある。 例えば、僧侶の着る墨染めの僧衣や浪人の黒紋付が日焼けするなどして赤っぽく変色した色合いを羊羹色と喩える。特に旅を長く続けている流浪の僧侶か、貧しい浪人などの衣服を連想させる色合いである。 もっとも、今日知られるような小豆と寒天で作る練羊羹の原型が生まれたのは桃山時代(天正17年に鶴屋が作ったと伝わる)とされているため、戦国時代以前には「羊羹色」の概念はなかったと考えられる。実際に文学作品を見ても、18世紀の宝暦・明和期に初めて「羊羹色」という表現が登場する。 羊羹色の黒紋付をぞろりと着流し、眉を細く作りなして呂色鞘の大小を落とし差しという格好は、血筋は良いが落ちぶれている若い洒落者な浪人のいでたちで、歌舞伎の冷酷な二枚目悪役「色悪」を連想させる着こなし。江戸時代中期の終わりごろに若い浪人たちの間で流行した。
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