繊維強他金属
金属中に繊維状物質を混合させ強化した金属複合材料。FRMともいう。アルミニウム、チタン、マグネシウムなどの軽金属の母材と、タングステン、モリブデンなどの金属繊維や、炭素、炭化ケイ素、アルミナなどのセラミック繊維を補強材として組み合わせたものが多い。ただし、繊維と金属の化学反応性のバランスがとりにくい、あるいは大量生産の成形技術が難しいなどの理由で実用化はあまり進んでいない。最近の自動車での採用例としては、ホンダNSX用エンジンのシリンダーライナーがある。これは従来の鋳鉄製ライナーを、アルミ合金にアルミナ繊維および自己潤滑性をもつ炭素繊維を混合させたFRMに代えたもので、これによりシリンダー間壁を薄くしてボア径を拡大させ、エンジン全長を変えずに6%強の排気量アップとシリンダーブロックの3kg軽量化を実現している。
参照 FRM- 繊維強他金属のページへのリンク