総研詳細式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 22:57 UTC 版)
1986年の余部鉄橋列車転落事故、1994年の特急おおぞら脱線転覆事故、三陸鉄道突風転覆事故での事故調査を通じて、風の空気力係数が、車両形状と軌道が載る地上構造物形状に依存すること、車両と風の相対風向角に依存することが判明し、空気力係数の推定精度向上の必要性が認識された。このような背景を受けて、転覆限界風速予測精度の向上のために、国枝式の静的つり合い解析を基本としつつ予測式をより詳細化されたものが鉄道総合技術研究所の日比野らにより提案された。総研詳細式と呼ばれ、以下の点が国枝式と異なる。 車両のバネによる車体変位を、バネ系のポテンシャルエネルギのつり合いからに求めて考慮する。また、台車-車体間のストッパの当たりの有無を考慮に入れる。 横風による横力、揚力、ローリングモーメントをそれぞれ考慮する。これらの空気力係数は風洞試験により求める。また、車両への風向角度を考慮する。 左右振動加速度は、実測値を使用するか、走行速度 v の変数として以下のように仮定する。ここで、Vmax :最大走行速度である。 α y = 0.1 v / v m a x {\displaystyle \alpha _{y}=0.1v/v_{max}} … (5)
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