継承ライセンスのタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 06:18 UTC 版)
「継承 (クリエイティブ・コモンズ)」の記事における「継承ライセンスのタイプ」の解説
前述の通り、継承ライセンスには2つの異なるものが存在する。まず、両者は著作権表示の義務である「帰属」条件を持つ。これに加え、"CC BY-SA"は「継承」の要件である、全ての二次的著作物を原著作物と同一または等価であるライセンスに従うことを要求する。これゆえ、例えば仮にある人物がBY-SAで許諾された映画(movie)の一部を切り出してショート・フィルム(short film)を作った場合、そのショート・フィルムの著作権に基づくライセンスはBY-SAとする必要がある。クリエイティブ・コモンズによると、このライセンスの優位性は、ライセンシーが将来、原著作者の著作物を利用して作成した派生物に新たな制限を追加することができない、すなわち、派生物を原著作物と全く同一の条件下でライセンスしなければならない、という点にある。この継承ライセンスはフリーソフトウェア財団(FSF)がGNUプロジェクトで採用しているGNU General Public License(GPL)やGNU Free Documentation License(GFDL)が持つコピーレフトに類似するものである。 ただし、CC BY-SA、GPL、GFDLは派生物に関する取り扱いが類似しているとはいえ、その他の条項には三者とも互いに大きな差異がある。よってライセンス全体としては三者いずれも非互換であることには注意したい。この問題を軽減するため、FSFは2008年11月3日、GFDLバージョン1.3を公開した。この新しいライセンスには、「GFDL1.3からCC BY-SA 3.0への再ライセンス」(逆は不可)を著作権者の許可なく行使できる追加的許可条項が"Section 11. Relicensing"(第11項 再ライセンス)として設けられている。よって「GFDLのあるバージョン、または『それ以降の任意のバージョン』(any later version)」という形式でライセンスされた著作物ならば(その他2、3点の要求事項を満たした上で)、著作権者に許可を得ることなく(すなわち無断で)GFDLのあるバージョンからCC BY-SA 3.0に再ライセンスできる。この条項はウィキメディア財団の要請により設けられた。 "CC BY-SA"は著作物の商用利用を許可する。採り得るオプションの2番目、CC BY-NC-SAは非営利のみでの利用を要求する形の継承ライセンスだが、これはフリーコンテント・ライセンスではない。また一部の人物はコピーレフトでもないと述べている。
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