絶対連続分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 15:17 UTC 版)
累積分布関数が「連続」であるという用語は、「ルベーグ測度に対して絶対連続」という意味で使われることもある。σ-有限である確率空間において、確率分布が可測関数のルベーグ積分で表されるための必要十分条件は、累積分布関数 FX が絶対連続であることである(ラドン=ニコディムの定理)。このときのラドン=ニコディム微分を確率密度関数という。確率分布 PX が絶対連続であるとは、ルベーグ測度が 0 の R {\displaystyle \mathbb {R} } の部分集合 N をとる確率が 0 である。絶対連続 ⊆ 連続であり、絶対連続分布 ⊆ 広義連続分布 ⊆ 連続型確率変数の確率分布である。 ルベーグ測度が 0 の非可算な集合(たとえばカントール集合)も存在するため、累積分布関数が連続(つまり、任意の実数 a について P(X = a) = 0)であっても絶対連続でない例が存在する。カントール分布は(本来の意味では)連続だが、絶対連続ではない。 実際の応用においては、確率変数は離散的な場合も絶対連続な場合も、それらの混合の場合もある。しかし、カントール分布は離散的でも離散分布と絶対連続分布の重み付き平均でもない。 正規分布、連続一様分布、ベータ分布、ガンマ分布は、絶対連続分布としてよく知られている。正規分布は、中心極限定理があるため、自然界や統計ではよく現れる。多数の小さな独立変数の総和としてモデル化できる変数は総じて、正規分布に近似できる。
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