給排気システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 06:35 UTC 版)
空気中の塵埃を除去するため、建屋内で閉鎖された構造の区画に超高性能エアフィルタ(HEPA、ULPAなど)を通じて空気を送り込み、排気経路から流出する空気を建屋外に排気または建屋内で循環させる給排気システムを備えている。給排気システムは用途に応じて気流の制御が行われ、一方向流式、非一方向流式がある。 一方向流 押出形式ともいう。気流が部屋全体で一定の方向に流れていく気流の方式。塵埃は気流に沿って押し出されるように除去され、レベルの高い清浄度が得られる。さらに、天井吹き出しで床面一体の吸い込みの垂直流と、壁面吹き出しの逆壁面の吸い込みの水平流に分類される。層流と呼ばれることもあるが、流体力学等で用いられる層流とは意味が異なる。 非一方向流 混合形式ともいう。気流が部屋の中で複雑に流れていく気流方式。塵埃はCR内で清浄空気によって希釈される形で排除される。換気風量は必要な清浄度と換気回数(換気風量を室内容積で割った値)によって決められる。一方向流方式と比べ清浄度は低いが、コストの点でメリットがあるため広く用いられる。 この図の他に作業室の床をグレーチング構造にして気流を階下に透過させる建屋構造が用いられることがある。電子工業用途での採用が多い。 給排気システムでは室内の圧力管理も行い、外部からの塵埃の流入を防止するため、室内気圧を外気圧より5~10 Pa程度大きくし陽圧とする。ただし、ハザード用途の場合は室内気圧を外気圧より若干下げ、陰圧とする。 冷暖房も必要となり、特に電子工業用途では露光装置の寸法精度を確保するため、温度・湿度の管理が必要不可欠となる。
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