経路の選定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 07:11 UTC 版)
六甲山周辺の山陽新幹線ルート検討図、上から背山案、中央案、表六甲案、海岸案、位置は概略である 新大阪 - 岡山間の建設に当たって、ほぼ中間に当たる姫路駅で在来線の駅と併設することが最初の段階で決定的であった。そこで、新大阪 - 姫路間と姫路 - 岡山間にわけて経路選定が行われた。 新大阪 - 姫路間の経路選択においては、阪神間市街地と六甲山の通過が主な問題であった。阪神間市街地を斜めに横断して六甲山の北側を周る背山案、六甲山中央を東西に貫く中央案、六甲山南側を周る表六甲案、海岸平野部を通る海岸案が考えられ、比較検討された。背山案は、阪神間市街地を除けば用地買収が容易で、最長トンネルは長さが8キロメートル程度で済み、地質も比較的良好な場所を通過できるが、神戸市内の駅が市街地とは六甲山で隔てられた北区道場町付近にしか設定できず、営業上の問題があった。中央案は有馬盆地の下に最長23キロメートルにも及ぶトンネルが必要であり、地質が悪く横坑や斜坑の設置できる適地がないことから工期が長大化し、しかも駅の設置ができないため不適格であると判断された。海岸案は、都市部や港湾地域を非常に高い高架橋で通過するため実現が困難であるとされた。 これに対し、阪神間市街地のなるべく地元に迷惑が掛からない場所を選んで通過し、六甲山東部に取り付き、南側斜面を貫いて神戸市内に駅を設け、再び六甲山のトンネルに入って明石市に抜ける表六甲案であれば、実現が可能であるとともに神戸の市街地に近い場所に駅を設置できるとされ、採用されることになった。 阪神間市街地をできるだけ回避するという条件から、トンネル入口側の坑口の位置はほぼ限定されることになり、また神戸市布引付近に新神戸駅を設置することから出口側坑口の位置もほぼ限定される。トンネル中間部は、北に寄せると中間付近の断層破砕帯を回避しやすくなって地質的には良好であるが、トンネル中間付近に取り付く作業坑を設けるためには南側に寄せる方が都合が良い。その兼ね合いを考慮してトンネルの平面線形を設定した。
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