組換え作物由来の堆肥と有機栽培
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 16:18 UTC 版)
「遺伝子組み換え作物」の記事における「組換え作物由来の堆肥と有機栽培」の解説
上記の節のように日本は大量に遺伝子組換え作物を輸入している。その結果、遺伝子組換え作物に由来する家畜の糞尿などの大量の畜産廃棄物が発生している。畜産廃棄物や油粕などの産業廃棄物は有機質肥料の原料として用いられることもある。「有機農産物の日本農林規格」によれば、本来は種苗や防除資材や肥料などに組換えDNA技術を用いたものを利用できない。しかし、特例として遺伝子組換え作物から油を絞った油粕や、飼料として用いた結果生じた糞尿をもとに作った有機質肥料である堆肥を有機栽培に用いることは、現状では許可されている。堆肥に関しては、組換えDNA技術を用いていないものの入手やその確認が困難であることを理由に、「有機農産物の日本農林規格」の「附則(平成18年10月27日農林水産省告示第1463号) 抄」において、 (経過措置)2 この告示による改正後の有機農産物の日本農林規格(以下「新有機農産物規格」という。)別表1に掲げる肥料及び土壌改良資材のうち、植物及びその残さ由来の資材、発酵、乾燥又は焼成した排せつ物由来の資材、食品工場及び繊維工場からの農畜水産物由来の資材並びに発酵した食品廃棄物由来の資材については、新有機農産物規格第4条の表ほ場における肥培管理の項基準の欄1に規定するその原材料の生産段階において組換えDNA技術が用いられていない資材に該当するものの入手が困難である場合には、当分の間、同項の規定にかかわらず、これらの資材に該当する資材以外のものを使用することができる。 と明記されている。 また、「有機農産物及び有機加工食品のJAS規格のQ&A」の「(問15-4) 遺伝子組換え作物に由来する堆肥の使用は認められますか。」の回答としても、 平成18年度の改正において「肥料等の原材料の生産段階において組換えDNA技術が用いられていないものに限る。」と規定され、堆肥についても組換えDNA技術の使用が明確に排除されることとなりました。しかしながら、現状では植物及びその残さ由来の資材、発酵、乾燥又は焼成した排せつ物由来の資材、食品及び繊維産業からの農畜水産物由来の資材、発酵した食品廃棄物由来の資材のそれぞれについて、遺伝子組換え作物に由来していないことを確認することが現実的には難しい状況にあります。このため、これらの資材の活用が困難となることを考慮し、附則において、当分の間使用することができるとされています。 と解説されている。
※この「組換え作物由来の堆肥と有機栽培」の解説は、「遺伝子組み換え作物」の解説の一部です。
「組換え作物由来の堆肥と有機栽培」を含む「遺伝子組み換え作物」の記事については、「遺伝子組み換え作物」の概要を参照ください。
- 組換え作物由来の堆肥と有機栽培のページへのリンク