組合の訴訟上における取扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 00:48 UTC 版)
組合は法人ではなく、また、民事訴訟法第29条の「社団」といえるか一義的に明らかではないため訴訟上当事者能力を有するか(訴訟上請求定立の主体またはその相手方となることができるか)争いがある。この点について、判例は一定の組合について当事者能力を肯定した(最高裁昭和37年12月18日民集16巻12号18頁)。したがって、組合を被告として、または、組合が原告となって訴訟を提起することは可能である。もっとも、組合は法人ではないから権利能力の主体となり得ず組合財産は代表名義で登記することが通常である。そこで、組合名義でなされた債務名義(勝訴判決)に基づいてこのような代表名義でなされた不動産に対して執行することができるか困難な問題がある(通説は、執行債権者は民事執行法23条3項および27条2項に基づいて代表者に対する執行分の付与を受け、これによって、強制執行が可能であるとする)。一定の要件を満たす組合について訴訟上の原告とすることは可能である(民事訴訟法29条)が、既判力との関係で困難な問題がある。そこで、組合員全員を被告として訴えを提起する方法(固有必要的共同訴訟となる)や、業務執行組合員を任意的訴訟担当とする方法も検討すべきである。民事訴訟法29条は訴訟上の効果を認めるにすぎない。したがって、組合は私法上の権利義務の主体となることができないことに変わりはないから、訴えは適法であるとしても組合に対する登記請求は棄却となる(最高裁昭和47年6月2日民集26巻5号957頁)。
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