細菌食中毒・生食
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 23:01 UTC 版)
鶏肉は、刺身、たたき、ユッケなど、生で食されることもある。しかし腸管に常在菌として存在しているカンピロバクター( Campylobacter )、サルモネラ( Salmonella )、アルコバクター( Arcobacter ) や、屠畜過程で大腸菌、ブドウ球菌により汚染される場合があり、新鮮な肉でも高い率で食中毒原因菌に汚染されており、食中毒を惹き起こすことがある。 厚生労働省の「食品中の食中毒菌汚染実態調査」によると、鶏ミンチ肉におけるサルモネラ汚染率は、下記のように高いものとなっている。 鶏ミンチ肉のサルモネラ汚染率201320142015201620172018検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 31 15 48 33 18 55 35 22 63 – – – 28 14 50 43 21 49 さらに鶏ミンチ肉におけるカンピロバクター汚染率は次のようになっている。 鶏ミンチ肉のカンピロバクター汚染率20102011201220132015検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 検体数 陽性数 % 197 71 36 159 60 38 210 76 36 8 5 63 5 1 20 カンピロバクターは、世界中の人間の細菌性下痢性疾患の主な原因であり、家禽肉製品が症例の約70%を占める。日本でのカンピロバクターによる食中毒患者の報告数は、2003年以降は年間2000人を越えており、重要な食中毒菌となっている。 肉食動物の耐性 なお、人間以外のライオンやトラといった肉食動物が生肉を食べても食中毒にならないのは、カンピロバクターに対する強い耐性を持っているためである。
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