米国のシーシェパード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 21:43 UTC 版)
「シーシェパード」の記事における「米国のシーシェパード」の解説
2011年12月、調査捕鯨を実施している日本鯨類研究所が、シーシェパードの調査捕鯨に対する危険な妨害行為や接近行為を差し止めるようワシントン州連邦地方裁判所(連邦地裁)に提訴(本訴)すると共に仮処分を要求した。 2012年3月、連邦地裁がこの仮処分の申し立てを棄却したので、同年4月に日本鯨類研究所は第九巡回控訴裁判所(連邦高裁)に仮処分棄却の再審理を求めて上訴し、同年12月にこれが認められ妨害行為差し止めの仮処分命令が発出された。 2013年2月、連邦地裁は連邦高裁の結審まで連邦高裁の仮処分命令以外の提訴(本訴)手続きを凍結した。また、この仮処分に違反してシーシェパードが南極海で妨害行為を行ったため、同月に日本鯨類研究所は連邦高裁に対してシーシェパードの法廷侮辱罪を申し立てた。同月には連邦高裁が改めて妨害行為差し止めの仮処分を認めシーシェパードを「海賊」として認定した。また連邦地裁判事の交代を命令し本訴を連邦地裁に差し戻した。2014年12月、連邦高裁がシーシェパード、ポール・ワトソン、6名のシーシェパード理事の法廷侮辱罪を裁定し、原告(日本鯨類研究所)の訴訟費用と妨害により受けた損害を弁済するよう命令した。 2015年4月、連邦高裁の法廷侮辱罪の裁定を不服としたシーシェパードらが合衆国最高裁判所に上告するも、同年6月、最高裁が上告を却下し、連邦高裁がシーシェパードらに下した法廷侮辱罪が確定した。これにより示談となり、シーシェパードは仮処分違反を認める形で255万ドル(3億1千万円)の賠償金を日本鯨類研究所に支払った。仮に引き続き妨害行為を繰り返せば、さらなる賠償金の支払い義務が生じることになる。 2016年8月、日本側が賠償金として受け取った3億1千万円の一部(金額非公開)を和解金としてシーシェパード側に支払い、シーシェパードは永久的に妨害を行わないことで両者が合意したことが日本鯨類研究所から発表された。この調停結果は米国のシーシェパードのみに効力を発揮しオーストラリアのシーシェパードには効力が及ばないため、豪州シーシェパードは従来通り妨害行為を続けると主張しているが、米国シーシェパードから豪州シーシェパードへの資金提供を行うことができなくなるため日本鯨類研究所は抑止効果が期待できるとしている。
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