等式と財務諸表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 03:12 UTC 版)
詳細は「財務諸表」を参照 複式簿記は、基本的な勘定科目に関する以下の等式によって基礎付けられる。 ストックに関する等式 貸借対照表等式 : 資産 = 負債 + 純資産 純資産等式 : 資産 − 負債 = 純資産 フローに関する等式 損益計算書等式 : 費用 + 当期純利益 = 収益 収益 − 費用 = 当期純利益 フローとストックをつなぐ等式 期末純資産 − 期首純資産 = 当期純利益 これは物理学における物質収支の関係にもたとえられる。 試算表 資 産 負 債 純資産 収 益 費 用 これを算術の観点から見ると複式簿記による記載は以下の4つに分類できる。 借方・貸方ともに増加するもの 借方・貸方ともに減少するもの。 借方の科目間での増減。 貸方の科目間での増減。 いずれの場合でも、借方の合計と貸方の合計は変わらない。この関係に従って集計し、表にまとめたものを試算表という。 貸借対照表 損益計算書 資 産 負 債 費 用 収 益 純資産 期間利益 = 期間利益 これらの内、ストック(特定時点での財産状況)を表すもの(資産、負債、資本)は貸借対照表に、フロー(期間の損益状況)を表すもの(費用と収益)は損益計算書に、それぞれ記載される。複式簿記という名称は、この2つの財務諸表が表裏一体となって取引状況を表すことも意味している。 商品や原料の仕入は最終的には費用となるが、売上によって収益を上げるための投資という側面をもっており、費用収益対応の原則から、売上と無関係に一括で費用に算入するのは経営状況の把握には不都合である。そこで、仕入れたものをいったん資産に計上した上で、売上に対応する分だけ、その都度費用(売上原価)に振り替える、という処理が行われる。 商 品 期首在庫 売上原価 当期仕入 期末在庫 商品等の仕入れでは、時期や仕入先などによって価格が異なることがありうるので、実際には、その都度原価を捉えることは難しい。そこで、棚卸によって期末の在庫を実地調査などで確定し、 売上原価 = 期首在庫 + 当期仕入 − 期末在庫 の関係式に従って、売上原価を逆算するのが普通である。
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