第3種特別加入者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 10:21 UTC 版)
「労働者災害補償保険」の記事における「第3種特別加入者」の解説
日本国内の企業から海外の支店や合弁事業等へ出向する労働者や国際協力事業団等により海外に派遣される専門家が増加しているが、これらの労働者等については、海外出張として日本の労災保険制度の適用を受ける場合を除き、その労働災害についての保護は必ずしも十分とはいえなかったことから、昭和52年4月の改正法施行により新設された(昭和52年3月30日基発192号)。 以下の海外派遣者は、第3種特別加入者となる。 開発途上地域に対する技術協力の実施の事業(有期事業を除く)を行う団体から派遣されて、開発途上地域で行われる事業(有期事業を含む)に従事する者 日本国内で行われる事業(有期事業を除く)から派遣されて海外の支店・工場等で行われる事業(有期事業を含む)に従事する者(当該事業が特定事業に該当しない場合は、当該事業に使用される労働者として派遣する者に限る)派遣元の事業との雇用関係は転勤、在籍出向、移籍出向等種々の形態で処理されることになろうが、それがどのように処理されようとも、派遣元の事業主の命令で海外の事業に従事し、その事業との間に現実の労働関係をもつ限りは、特別加入の資格に影響を及ぼすものではない(昭和52年3月30日基発192号)。 新規に海外に派遣される者のみならず、すでに海外に派遣されている者も特別加入できるが、現地採用者は特別加入できない。また、単に留学を目的として海外に派遣される者は特別加入できない(昭和52年3月30日基発192号)。 日本国内の事業主から、海外にある中小規模の事業(第1種と同様)に事業主等(労働者ではない者)として派遣される者海外の事業が中小規模であれば、日本国内の派遣元が中小規模でなくてもよい。 第3種特別加入者が特別加入するためには、国内の派遣元の団体・事業主が特別加入申請書を、所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出し、政府の承認を受けなければならない(規則第46条の25の2)。この承認を受けるためには、派遣元の団体・事業主が行う事業について労災保険に係る保険関係が成立していなければならない(昭和52年3月30日基発192号)。なお、保険関係が消滅した場合、従来は保険関係消滅届の提出が義務付けられていたが、平成25年4月から事務手続きの簡素化により提出義務は廃止された。 海外派遣者が同一の支給事由について、派遣先の事業の所在する国の労災保険から保険給付が受けられる場合、日本の労災保険の保険給付との調整を行う必要はない(平成11年2月18日基発77号)。 海外派遣者の特別加入制度の制度は、海外出張者に対する労災保険制度の適用に関する措置に何らの影響を及ぼすものではない。すなわち、海外出張者の業務災害については、特段の加入手続を経ることなく、当然に労災保険の保険給付が行われる。なお、海外出張者として保護を与えられるのか、海外派遣者として特別加入しなければ保護が与えられないのかは、単に労働の提供の場が海外にあるにすぎず国内の事業場に所属し、当該事業場の使用者の指揮に従って勤務するのか、海外の事業場に所属して当該事業場の使用者の指揮に従って勤務することになるのかという点からその勤務の実態を総合的に勘案して判定されるべきものである(昭和52年3月30日基発192号)。
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