第3楽章:Lento assai - Allegro vivace
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「交響的舞曲 (ラフマニノフ)」の記事における「第3楽章:Lento assai - Allegro vivace」の解説
三部形式だが、ソナタ形式の痕跡も認められる。導入部はロ短調に始まり、主部でニ長調に転じる。この楽章はスケルツォ的な性格を帯びており、調性やリズムも絶え間なく変化していく。また、「怒りの日」の主題が随所に強烈に打ち出される。 短い導入部では、下降する動機と不気味な鐘がこの楽章の内容を暗示する。自由な三部形式による主部に入ると、ファゴットが主題の断片を出し、それにフルートと鐘の響きが応える。オーケストラ全体でニ長調のスケルツォ風の主題(ソナタ形式における第一主題)が提示されて変奏風に取り扱われ、ピッコロとシロフォンで呈示されるホ短調の新たな旋律(ソナタ形式における第二主題)がそれに絡み合う。結尾部で一度頂点を形成した後に中間部では減速し、憂鬱なワルツ的旋律(『死の島』の引用)が歌われる。オーボエによって第一主題への回帰が呈示されると徐々に楽器が増え、それに絡むような形で「怒りの日」の旋律が姿を現して曲は幻想的な雰囲気を帯びていき、全奏とタムタムの一撃によって再び頂点が形成される。怒りの日と融合した第一主題がごく短く提示され、結尾部の強烈なカタストロフと打楽器による経過句を経て低弦楽器による第二主題(ニ短調)が再現される。コーダ直前で『徹夜禱』第9曲のアレルヤの旋律(スコアにも"Alliluya"の表記が見られる)の引用が見られ、神への祈りを暗示する。コーダでは第一部の結尾部がニ長調で再現され、アレルヤの音楽を繰り返して熱狂的に曲を締めくくる。
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